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こんにちわ、とーこです!
今日は「目的と手段は分けて考えた方がいいよね!」と思ったのでシェアします。
老健に勤め始める新人OTさん向けにこの記事を書きますね。
私は老健に勤める常勤の作業療法士です。
私のもとには、現場の職員さんからのいろいろな意見が届きます。
たとえば、こんな感じです。
- 車いすに座っていて座面に当たる所(お尻)に傷ができているから車いす用のクッション持ってきて
- 食事が食べられなくなってきてるから食形態落とした方がいいんじゃない?
- 車いすでずり落ちそうになるからリクライニング車いすに変えた方がいいんじゃない?
- アームスリングつけた方がいいと思うからリハさんで準備しといて
実際の現場から届いた意見の一部です。
日中のみ、さらにデイケアと兼務で業務に携わっている私のような作業療法士にとって、24時間365日現場で利用者さんたちに向き合っている介護士さんのアセスメントは大変貴重です。
パソコンの記録や自分で評価するだけでは気づけない情報をダイレクトに届けていただくのは大変ありがたいと思っています。
現場で困っている=利用者さんが困っていることに直結しますし、早急な対応が求められる場面です。
さて、このような意見を受けた時に私が気をつけていることがあります。
それは「目的と手段を整理すること」です。
目的と手段とは?
目的と手段の定義について、辞書には以下のように書かれています。
目的とは、「実現しようとして目指す事柄」
手段とは、「ある事を実現させるためにとる方法」
目的と手段はセットになっていて、「~~するために(目的)、~~する(手段)」という関係です。
例えば、「歩行が不安定な人が一人で歩いて外出できるようになるために、歩行車を使う」というような具合です。
定義と具体例を対応させると以下のようになります。
実現しようとして目指す事柄(目的)は「歩行が不安定な人が一人で歩いて外出できる」
ある事(一人で外出)を実現させるためにとる方法(手段)は、「歩行車を使う」ということですね。
この前提を踏まえた上で、先ほどの現場からの声を振り返ってみましょう。
現場の意見を「目的と手段に分けて整理する」工程
ここでは「臀部に傷ができてるからクッション持ってきて」という現場の意見を例に挙げて振り返ってみます。
この文章を分けて考えると以下のようになります。
事実:臀部に傷ができている
手段:クッションで対応する
今回の現場からの意見のみを取り上げると、ここには「目的」が入っていないのが分かります。
省略されている、と言えるかもしれません。
ここで「目的を言葉にして共有する」というワンアクションがとても重要なカギになります。
なぜなら、目的を見失うと行先を間違えるから。
目的を見失うとどうなるか、目的を共有するメリットについて考えてみます。
なぜ目的を見失ってしまうのか?
目的を見失うと「実現しようとする事柄」にたどり着けないということが起こります。
先ほどの「臀部にキズができているからクッション持ってきて」を例に、実現しようとする事柄にたどり着けない、ただ一つの理由はこれです。
原因分析を怠っている
原因分析を行っていない!!これに尽きる
なぜ、臀部にキズができたのか??この原因を探ることなく手段のみを実施しても、問題を解決することはできません。
臀部にキズができる原因っていろいろあると思います。
- 臀部の一か所に圧がかかり過ぎている
- 車いすの大きさが体格に合っていない
- 長時間車いすに座り過ぎている
- 皮膚の清潔が保たれていない
- 皮膚が薄い
- 失禁が多い
- 栄養状態が悪い
まだ他にも原因があると思います。
確かに車いす用の座クッションを使って臀部の除圧を図れば、硬い車いすの座面シートに当たって傷が痛いということは防げるかもしれません。
ただ、それだけで対策が万全ではないですよね。
「他にあるいくつもの原因」に対しても原因分析と対応策を考える必要があると言えます。
目的を共有するメリットは?
目的=実現しようとする事柄を共有するメリットは、専門職それぞれの立場で評価(アセスメント)した上で意見交換し、利用者さんの生活をトータルで考えられるようになることだと考えます。
今回の例では「臀部にできた傷を治す」というのが実現しようとする事柄になります。
利用者さんの生活をトータルで考えられる
私は作業療法士なので、身体機能面や認知機能面等を評価し、福祉用具を使って環境調整を行う役割があります。
一方で、介護士、看護師、医師、栄養士、相談員、理学療法士、言語聴覚士と老健にはさまざまな専門職がいて、それぞれの立場で利用者さんをアセスメントしているはずです。
専門職としてのアセスメントを持ち寄って共有することで、より深い「原因分析」を図れるようになります(なるって信じてる)。
どれだけ高機能の車いす用座クッションを使っても、一日中車いすに座らせっぱなしのままではその人の生活をトータルで見ているとは言えないですよね。
一日の過ごし方を工夫する、皮膚の観察を定期的に行う、栄養状態を確認するといった各方面からのアプローチがあってこそ、車いす用座クッションも効果を発揮するというものです。
当然、作業療法士としては車いすの大きさやフットサポートの高さ、使用する車いす用座クッションの選定を早急に評価し介入する必要があります。
だいぶザックリ書きましたが「作業療法士の専門性」が発揮できる場面の一つではないでしょうか。
目的と手段の話でした
手段が目的化してしまうと残念に思う
AといえばB!といった結論ありきで話を始めると、あまりいい結果にはならなかった場面をこれまで多く経験してきました。
AといえばBではあるんですよ。
間違ってない。
ただ、他の視点を無視しちゃうと行きたいところにたどり着けないよね、っていう話です。
- 原因分析した内容を踏まえる
- 目的=実現しようとする事柄を共有する
- 適切な手段を選択する
明日からの業務のヒントになれば幸いです。
老健で働く作業療法士へ推したい教科書は
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