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【感想】「黄色い家」川上未映子ー夢は自分のために見るもの

こんにちわ、とーこです!

2月1日に2024年本屋大賞ノミネート、10作品の発表がありました。

『黄色い家』川上未映子(著)中央公論新社

『君が手にするはずだった黄金について』小川哲(著)新潮社

『水車小屋のネネ』津村記久子(著)毎日新聞出版

『スピノザの診察室』夏川草介(著)水鈴社

『存在のすべてを』塩田武士(著)朝日新聞出版

『成瀬は天下を取りにいく』宮島未奈(著)新潮社

『放課後ミステリクラブ 1金魚の泳ぐプール事件』知念実希人(著)ライツ社

『星を編む』凪良ゆう(著)講談社

『リカバリー・カバヒコ』青山美智子(著)光文社

『レーエンデ国物語』多崎礼(著)講談社

Audibleで毎日本を読むようになって約1年…おととしに比べれば本を読むようにはなったものの、世間で話題になっている作品を追うほどには及びません。

1冊も読んだことも、聞いたこともない作品ばかり。

「私も本好きの人が読んでいる作品に触れてみたいな」そんな思いで手に取ったのが、川上未映子さんの「黄色い家」です。

目次

「黄色い家」川上未映子

十七歳の夏、親もとを出て「黄色い家」に集った少女たちは、生きていくためにカード犯罪の出し子というシノギに手を染める。危ういバランスで成り立っていた共同生活は、ある女性の死をきっかけに瓦解し……。人はなぜ罪を犯すのか。世界が注目する作家が初めて挑む、圧巻のクライム・サスペンス。

Amazon 書籍紹介より

再生速度1.5倍で12時間を越え、読了まで10日程かかりました。

きっと、書籍で読んでいたら脱落していたと思いますが、オーディブルだから読了できた、そんなボリュームのある作品です。

内容的にも重量感があって、読み終わったあともずっしりと心に残るものがありました。

誰かのために尽くし過ぎてるなって思う人には手にとって読んでもらいたいです。あなただけが頑張らなくてもいい、読んだあとにそんなメッセージを感じられると思います。

花の生い立ちと黄美子さんとの出会い

主人公「花」はスナックで働くの母親と、2人で暮らしていました。

気まぐれな母親とスナックの同僚に囲まれて育った花は、学校に馴染めず周囲ともだんだん疎遠になっていきます。

中学生になったある夏の日の朝、目が覚めるとそこには母親ではなく、知らない女性がそこにいました。

それが「黄美子さん」です。

黄美子さんと花はその夏を2人で過ごします。

一緒にインスタントラーメンを食べ、コンビニに行き、テレビを見て、ともに眠る。

周囲と疎遠だった花でしたが、黄美子さんが関わることで夏祭りに一緒に行くまでの繋がりができ、花にとっては特別な夏になりました。

単調だけど、穏やかで満ちていた生活は、黄美子さんはある日フッといなくなってしまうことで終わってしまい、再びスナック勤めの母親と2人暮らしに戻ります。

この夏の経験をきっかけに、花にとって黄美子さんは特別な存在になりました。

花と黄美子さんの出会いは穏やかな日常にも関わらず、導火線に火をつけると一気にパチパチと音を立ててて燃え上がり、一瞬で暗くなる、まるで花火のように感じました。

花が黄美子さんとともに歩むようになったのには、他に行く当てがなかったという消去法的な選択であった面と、この鮮やかな思い出に惹かれていった面、どちらもあったと私は思います。

夢ってさ、自分のために見るものだ

「夢は誰のために見るもの??」という点が印象に残りました。

スナック“れもん”が火事で焼けてしまったあと、「黄美子さんや仲間とれもんを再開すること」が花の夢だったんですよね。

黄美子さんや仲間たちと一緒にれもんをやっている時の花はとても輝いて見えました。

労働に対する対価=お金を自分の力で稼いでいるということが、花にとって自分の価値を高め、自信に繋がっていたことが大きな要因だと感じます。

花の夢って、周りの人のために!!っていう思いがものすごく強いんです。

なぜなら、ちょっとだらしなくて先のことがきちんと考えられない黄美子さんのために、帰る家のない仲間のために、自分がしっかりして頑張らなくてはいけないという使命感に駆られていたから、自分の責任だと感じていたんだと思います。

自分さえ頑張れば、自分がお金を稼ぐ手段を考えれば、お金を稼いでくれば、きっとみんなが幸せになれるって花は信じてました。

「自分さえ頑張れば、みんな幸せになれる」って、私もついつい感じがちだなって思ったんです。

それは、特に母親になってから強く感じます。

美味しいごはんを作ろう、家の中をきれいに整えよう、仕事に行ってお給料を稼ごうっていう原動力は子どものためだったりするんです。

これってちょっと危うくないですか??

小説の外から花を俯瞰してみると、「花ちゃん!!もっと自分のために夢を見て!!」って叫んじゃうんだけど、いや、ちょっと待てよ。

根底の部分で私も同じことしてないか?

自分の夢、ちゃんと見れているか??

夢ってさ、自分のために見るものなんだ!

自分を満たしてこそ、周りの人も満たせるし、幸せにできるんだよ!!っていう強いメッセージを感じました。

「黄色い家」を読む

川上未映子さんの「黄色い家」の感想でした!

2月1日時点で、本屋大賞10作品中Audible聴き放題対象だったのは「黄色い家」のみ。

2月21日に調べてみたところ、2月29日以降で聴き放題対象作品に追加予定であったり、対象外でもAudibleで購入可能になったりしている作品がいくつか増えていました。

2024年本屋大賞の結果発表日は4月10日水曜日です!

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この記事を書いた人

とーこ@作業療法士ママ
老健で働く作業療法士。8歳4歳兄弟のママ。仕事や子育てでの経験から学び、「私がもっと早く知りたかった!」ことを発信します。趣味は旅行とパン作り。取得資格:介護支援専門員、介護老人保健施設リスクマネージャー、実習指導者研修修了。

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