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【感想】「爆弾」呉勝浩-欲望が透けて見えるならそれは才能だろう

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こんにちわ、とーこです

この5日間、通勤や保育園の送迎、買い物、家事…耳のスキマ時間で一冊読み切りました。

呉勝浩さんの「爆弾」です。

ストーリーの極力触れないよう、小説の紹介と私の思ったことについて書きます。

  • 日本最大級のミステリランキング、『このミステリーがすごい! 2023年版』(宝島社)、『ミステリが読みたい! 2023年版』(ハヤカワミステリマガジン2023年1月号)国内篇で驚異の2冠
  • 第167回直木賞候補作

仕掛けられた爆弾を予知できるという男と刑事たちの頭脳戦が圧巻のミステリー小説です。

年末にかけてミステリー、推理小説を数冊読んで、こちらもその一冊。

物語が展開してからのスピード感が気持ちいい一方で、被疑者となった男・スズキの気色悪さが際立ちます。

取調室での頭脳戦が繰り広げられてつつ、現場の刑事たちの捜査力も見逃せず、それぞれの動きに目が離せません。

事件後の世界にも、光があって欲しいと願う。

目次

人の欲望が分かる才能を手にしたら

被疑者となった男・スズキは「人の欲望が手に取るように分かるんです」と刑事たちに語るシーンがあります。

小説の中ではこの才能が犯罪に利用されていくのですが、冷静に考えると「人の欲望が分かる」ってすごい才能じゃない??って思ったんですよね。

誰かが何か欲しい、と思っていることが手に取るように分かれば、それを準備して商売になるかもしれない。

困っている人が欲しい、と思うものや事が分かれば、人助けができるかもしれない。

そんな風に考えると、人の欲望が手に取るように分かるって誰しもが手にしたい才能だと思います。

せっかく手にした才能を、活かすも殺すも使い方や環境次第ということなんだろうな。

刑事・清宮

登場人物の多い中で、一番心惹かれたのは、刑事の清宮さんです。

「この人は好きになれなさそう」というのが第一印象だったのが、ストーリーが進むにつれて、この人の思考に引き込まれていきました。

冷静に、パズルを外堀から埋めていくように、スズキと向き合っていた清宮が、スズキとの頭脳戦の中でスズキの思考に飲み込まれ、自分の本性に向き合わざる負えなくなるまで追い詰められていきます。

人の命の重さを天秤にかけることなんてできないのだけれど、守るべきものに優劣をつけてしまうことは無意識に行われているだ、とスズキに突き付けられるんですよねー

冷静だった清宮が沸騰するように熱くなり、自分を見失った結果、ある行動に出てしまうシーンが辛かったです。

呉勝浩「爆弾」

呉勝浩さんの爆弾を紹介して、私が思ったことを書きました。

2023年1月現在、「爆弾」はAudibleの聴き放題対象作品です。

早く車に乗って続きが聴きたい!!通勤が待ち遠しくなる作品のひとつでした。

良かったら手に取ってみてください。

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この記事を書いた人

とーこ@作業療法士ママ
老健で働く作業療法士。8歳4歳兄弟のママ。仕事や子育てでの経験から学び、「私がもっと早く知りたかった!」ことを発信します。趣味は旅行とパン作り。取得資格:介護支援専門員、介護老人保健施設リスクマネージャー、実習指導者研修修了。

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